フィリップ・シーモア・ホフマン

MI3の何がどシビアって、フィリップ・シーモア・ホフマンがやってる悪役がほんとうに恐くて、もうこれは絶対勝てない、これはごまかせる相手じゃない、今度こそ死ぬかも、という感じで、しかもそれ、冒頭から見せられるもんだから「こ、こ、これ大丈夫なん(ミッション・インポッシブルだよ!?)」と、すごい緊張しながら見ることになる。
要所要所のツボをおさえるのがやたらうまいJJエイブラムスの力もあるけれど、この映画を爆上げしてるのはやっぱりフィリップ・シーモア・ホフマンの存在だと思う。コメンタリーでも言及されているけど、イーサン・ハントがフルマスクを付けてホフマン演じるデヴィアンに化けるシーンがあって(つまり撮影上はホフマンが「実はイーサンのデヴィアン」の演技をすることになる)、その格好のままイーサンが自分の仲間と喋っている所が本ッ当ー! に、何の違和感もなくトム・クルーズのイーサンだった。
「わ、すごい人がいる」の感慨とともに役者名を覚え、まだ見ぬ映画に「あ、この人出てるんだ」となる――映画を追いかけていているとこれが楽しいし、知っている名前が増えてくると嬉しい。フィリップ・シーモア・ホフマンはそんな役者の一人だった。46歳だったのか。