フィクションが古びる事について

懐かし地獄で「マトリックス」と「マイノリティーレポート」借りて、昨日はマトリックス見てた。
マトリックス、最初のやつが一番面白かったと思っていたんだけど、改めて見るともうあんまり新鮮じゃない。10年以上前の映画だから当然と思われるかもしれないが、ファッションやテクノロジーはそう時代遅れな感はしない(大好きだった「JM」はこれがツラかったなー)。単純な経年劣化というよりは「これのパロディを見過ぎたなあ」と思ってしまった事が大きい。ここでいうパロディは同人とかじゃなくて、模倣とか亜種とかリスペクトとか。(日本で近年最大の「パロディ見過ぎた感」は「リング」だろう)
第1回のM-1麒麟の漫才が脳みそひっくり返るような驚きと面白さを感じたのに、何年か経ってその第1回の録画を見返したら「ふつう」になっていて家族で仰天した事がある。あれからおそらくあんな漫才が増えたのだ。私らの「あの面白さ」に対するインフレが起きたというか。マトリックスを見ながらそのことを思い出していた。大好きな「インセプション」もいつか「最初見た時はびっくりしたもんじゃ」みたいになっちゃうんだろうか。ヤだよー
でも「人間の面白さはどこまで行くのか」と思うととても面白い。
それと同時に、いつまでもそれがそのジャンルで一番だと思われる作品があることも気になる。映画の中で、音楽の中で、小説の中で、その他いろんなものの中で、「その味で最初に世に出た」以外の強みをもって、今なお「いいな」と思わせるものがある。それを作りたい、もうあるそれを塗り替えたい、という気持ちが人をどんどん面白くしていくのだと思うと、何だか懐古主義のつもりが未来に希望的な感じになってしまうことだよね。